競技結果
総合優勝:UT Makilab.(東京大学大学院)
メカ・カテゴリ1位:AIT海洋チャレンジ(愛知工業大学)
実用・カテゴリ1位:UT Makilab.(東京大学大学院)
バイオミメティック・カテゴリ1位:Team Black(愛知工業大学)
奨励賞:小山高専水中ロボット製作チーム2022(小山工業高等専門学校)
FullDepth賞(企業賞)1:チームうすしお(東京工業大学附属科学技術高等学校)
FullDepth賞(企業賞)2:ヘリコプリオンロボ化石チーム(千葉経済大学附属高等学校)
フリー部門概要
フリー部門は技術内容やオリジナリティを競う部門です。プレゼン点・競技点の合計で勝敗が決まります。
プレゼン点はワークショップでの発表、競技点はフリー演技によって採点されます。
本年度より、応募時に3つの評価カテゴリ(メカ・実用・バイオミメティック)からメインカテゴリとサブカテゴリの2つを選択する形式になりました。
詳細なルールについては、トップページにあるガイドブックをご確認ください。
参加チーム
プレゼン動画の再生リストはこちら。(ジュニア部門・フリー部門共通)
デモ動画の再生リストはこちら。
TeamWhite (愛知工業大学) |
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AIT-MF | |
570×240×390 mm 9.4 kg | |
(メイン)バイオミメティック (サブ)実用 | |
AIT-MFは生物模倣型の推進機構を有する水中ロボットである。MFはMulch Finを意味している。本機体は、8つのヒレを有しており、それぞれ1自由度である。これらのヒレは、厚さ1mmのPOMを用いることで、水中でしなり、より多くの水を押し出すことができる。従来の生物模倣型ロボットと比較して単純な構造をしており、制御も単純であることが利点としてあげられる。
機体重心部には9軸センサを搭載しており、フィードバック制御が可能である。また、深度センサを搭載している。機体の前方、後方にはカメラを搭載しており、画像・映像の撮影が可能である。カメラに伴ってライトも搭載しており、暗い環境でも対応可能である。 本機体の前進速度は0.4785[m/s]であり、ダイビングプールを用いた遊泳実験では、4[m]の深さからの浮上も成功している。また、Yaw・Roll・Pitch回転と横移動も実験において成功している。 |
AIT水中ロボットチャレンジ (愛知工業大学) |
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AREMA C2 | |
550×590×220 mm 4 kg | |
(メイン)実用 (サブ)メカ | |
AREMA C2は水中において人間の負担が大きい環境での探査を目的とした、2軸胸鰭推進機構と2種類のカメラが搭載されている水中探査ロボットです。
AREMA C2は2自由度を持つ2つの鰭を、機体の中心に搭載した制御装置を用いて駆動させ推進を行います。推進原理は、前後運動と捻り運動を組み合わせた抗力型の推進を採用しています。さらに、鰭の動きだけでなくボンベを用いた比重の調整を行い垂直に潜水・浮上の動作を行います。 操縦者が機体に簡単な制御信号を送るだけで、ロボットに搭載されたマイコンにより複雑な鰭の動作を瞬時に行うことが出来ます。 機体の前面に1自由度を持つ操作用カメラを搭載し、進行方向の映像をリアルタイムに見ながら操作できます。また機体の下面に観測用カメラを搭載し、水中や海底の様子を調査することが出来ます。 |
Team Black (愛知工業大学) |
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AIT-BMR | |
430×1000×100 mm 11.4 kg | |
(メイン)バイオミメティック (サブ)メカ | |
海洋生物の生態系や水中環境の探査を目的とし、海洋生物のマンタを模倣した外骨格マンタ型ロボットを製作した。スクリューを使用しないことで、水生生物の損傷を防止でき、海藻や漂流物を巻き込まないため、生態系に与えるストレスが小さい利点がある。
機体は左右胸鰭に各9自由度、頭部にpitch軸の1自由度の計19自由度で構成され、機体の剛体全てをABS樹脂の3Dプリンタで作製した。これにより、温度・湿度変化による浮力の変化を最小限に抑えられ、正確な制御・メンテナンスが容易である。内部には制御ボードとしてRaspberry Pi 4を、姿勢角取得として9軸センサを、アクチュエータには防水サーボモータを、外界認知として頭部と腹部にカメラとライトを搭載。ROS2を用い、有線通信でコントローラ操作により各モータ・センサを制御することで前進・旋回・潜水浮上が可能である。また、6つの翼を用いた6足歩行機能により海底・岩場での探査も可能である。 |
AIT海洋チャレンジ (愛知工業大学) |
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Cerchio | |
930×600×370 mm 7 kg | |
(メイン)メカ (サブ)バイオミメティック | |
Cerchio(チェッキオ)は、水中構造物の調査・点検を目的とした鰭推進機構を有する水中探査ロボットです。
Cerchioは、円盤形の中心部にコントロールボックスがあり、鰭が4つ等間隔に取り付けられています。各鰭はピッチ軸とヨー軸の2軸のサーボモータで構成されています。 推進原理は、ローイング(前後)運動を用いた推進方法です。ヨー軸で鰭を動作させることで水を掻き推進できます。ピッチ軸の鰭を動作させることで潜水や浮上の動作を可能にします。また、推進方向によって、鰭の動作本数を変化させ、前後左右斜めの全方向の推進を可能にします。 |
ARP (無所属) |
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かんかい | |
750×400×210 mm 7 kg | |
(メイン)実用 (サブ)メカ | |
スラスター6基とカメラ、マニュピレーターを装備した有線操縦型の水中ロボット。ハル内部については、マイコンやバッテリーなどの内容物を、等間隔に穴の開いたフレームにトレイを載せるような構造になっており、センサや機器の追加・変更や配置修正を気軽に行える。ハル外側もスラスターの位置や角度を細かく調整することを前提とした構造にした。また、ハル内部には検水センサなどを取りつけ、迅速な異常検知によるロボットの保護機能も有する(予定)。 |
チームうすしお (東京工業大学附属科学技術高等学校) |
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Umi-Ra | |
200×220×420 mm 0.95 kg | |
(メイン)実用 (サブ)メカ | |
水中探査を目的とした探査機である。錘を搭載することで潜航し、錘を切り離すことで自身の浮力で浮上するフリーフォール型を採用した。本体はペットボトルを使用し、浮力・耐圧性能を付与するためにボトル内部に微細な中空ガラス球を充填し、その外周にカメラなどのセンサー機器類を搭載できるスペースを設けた。また錘を発泡スチロールと水風船で保持する2つの方法を用意し、前者は海水圧で圧縮され、後者はソレノイドで固定した針を解放し、水風船を割ることで保持を解除し受動的、能動的な切り離しを実現した。また、構造上錘が海底に残留するため環境負荷を考慮し、生分解性のある切り餅などの食材を錘として使用する。 |
小山高専水中ロボット製作チーム2022 (小山工業高等専門学校) |
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ツインテールフィッシュ 2段二重反転尾ヒレ魚ロボット | |
430×150×320 mm 0.43 kg | |
(メイン)メカ (サブ)バイオミメティック | |
魚ロボットによる水中撮影の問題点の一つに、通常の魚ロボット(尾ヒレ1つ)の場合、尾ヒレの揺動運動に合わせてロボットの先端部のカメラも左右に揺れて撮影映像は見づらいものとなる(ヨーイングによる撮影映像のブレ)。この問題の解決手段として、例えばカメラの揺れ補正機能等が考えられる。 |
海洋大ロボット研究会 (東京海洋大学) |
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b-ROV | |
400×250×200 mm 1.8 kg | |
(メイン)メカ (サブ)実用 | |
本機体は自身の技術力向上・定着を目的に製作したROVである。将来的に機体内にマイコンを設置し、定点保持を行えるAUVを目標としており、第一段階として、制御に必要なハードウェア面の製作を行った。
機体は5つの耐圧殻から構成され、2つをバラストユニット、2つを電源ユニット、最後の1つは配線ユニットに割り当てている。耐圧殻にはアクリルパイプと、3DプリントしたPLA製の水密キャップにOリングを嵌めたものを利用している。 アクチュエータとして4つのスラスターとチューブポンプを1つ搭載している。ヨー角方向の回転を行うため、機体前方に2つのサイドスラスターを、後方に推進用として2つのメインスラスターを設置している。チューブポンプはバラストタンクへ注水を行いヒーブ方向の移動を担っている。各スラスター、チューブポンプの電源は機体内の電源ユニットに収めている。機体の操縦はテザーケーブルにより外部から制御信号を送ることで行う。 |
東工大アクア研turtlras (東京工業大学) |
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turtlra | |
250×350×230 mm 1.5 kg | |
(メイン)実用 (サブ)メカ | |
本機体は、今までアクア研で製作されてきた機体を泳がしながら水中で撮影することを第一の目的としている機体です。映画の撮影、テレビ番組の撮影等に多くの動画を撮影する場面に置いて、カメラ1台のみで撮影することは少なく、むしろ多くのカメラを同時に使用しながら撮影することが多いと見受けられます。そこで、この機体は群ロボットへの拡張を可能とする機体にし、将来的には群で撮影を行うことを目的としています。
本機体は、ロウ付けにより防水しつつ接合した本体ケースを作成しました。4つのスラスターを配置し、そのうち2つ以上は可変ピッチのプロペラにしていることで方向が制御しやすいようにしました。さらに、LEDを複数配置できるようにし、前方には撮影用のカメラ、及び受光センサーをとりつける透明なドームを配置しています。 |
UT Makilab. (東京大学大学院) |
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wARIEL | |
500×400×300 mm 10 ㎏ | |
(メイン)実用 (サブ)メカ | |
“wARIEL”は昨年の水中ロボコン出場機体“ARIEL”をベースに、スラスターやハルの配置を変更した機体です。バッテリーハルとメインハルの2つのハルからなり、サージスラスタ―3つ、ヒーブスラスター2つ、スウェイスラスター1つの構成になっています。メインハル内に搭載されたカメラ情報から画像認識を通して風船を探索し、最も近く得点が高い風船へとターゲットを定め、風船の近くへと移動して針を押し付けて、風船が割れたあとは浮上して再び探索を行う、という動作を繰り返します。メインの計算機はRaspberryPi4、スラスター制御と姿勢推定用にTeensy、IMUを搭載しています。 |
仂サンチーム (個人) |
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ロクジクオオメカイカ | |
900×300×150 mm 1.8 kg | |
(メイン)バイオミメティック (サブ)メカ | |
ロクジクオオメカイカは、アカイカ型のイカを模したロボットです。ヒレ使って遊泳できるほか、腕部の開閉や水を噴射しての推進が可能です。ヒレは、立体的なカム機構と柔軟なヒレ素材で滑らかな遊泳を再現しています。水の噴射による推進は、膨張・収縮する外套膜で水を送り出し、様々な方向に曲がる漏斗でその噴射方向を変えて行います。そのため、水の噴射によって方向転換も可能です。外套膜、漏斗も柔軟性のある素材・構造で作られています。腕は、柔軟な構造でできており、ワイヤ駆動によって広げたりすぼめたりすることができます。いずれの部位も実際のイカの体の構造を参考に作成されています。 |
ヘリコプリオンロボ化石チーム (千葉経済大学附属高等学校) |
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ヘリコプリオン復元ロボット | |
155×65×105 mm 0.11 kg | |
(メイン)バイオミメティック (サブ)実用 | |
約3億年前〜2億5千万年前の石炭紀後期から三畳紀前期にかけて海に生息していた、古代サメ、ヘリコプリオンの歯の化石からロボットを製作し、生態を明らかにすることを目的とした。 ヘリコプリオンの特徴として、現世の生物にはない渦状に並ぶ歯を持っている。第一段階として、この特徴性のある口元に注目し、獲物をどのように捕食していたのかを実験、考察を行った。ウナギの一種であるハモの鋤骨歯と城西大化石ギャラリー様が所有されている顎部化石を参考に製作を行った。 顎部分は骨組みとなるベース部と流路を形成する皮膜部から構成され、ベース部には5mmのアクリル板、皮膜部には0.5mm厚のポリプロピレン板を使用した。また、獲物を吸引していた可能性からポンプを装着した。今回の顎部の再現を元に、将来的には全体のロボット化に挑戦したい。 |